2015/02/08

長崎弁の話 その10。 ~僕が思う長崎弁の魅力~

今回で長崎弁の話は、何と第10回目!現在のところ、話題の約半分以上が長崎弁というちょっと変わったブログですが、ここまで続けて来れました。

これまでの「長崎弁の話」シリーズでは、主に長崎弁の語彙や文法的な事柄について話してきました。ただ、その一方で「僕自身が思う、長崎のことばの魅力をあまり語れていないのでは…?」ということを最近感じていました。

そこでシリーズ10回目の今回は、僕が思う長崎弁の魅力を語ってみたいと思います。

僕自身、生まれも育ちも長崎で、長崎のことばにはずっと慣れ親しんでいます。普段から使っていることばだけに愛着というものが勿論あるのですが、長崎のことばには、歴史やストーリーが感じられるのです。

古くからそこに住んでいた人たちの生活の中で受け継がれてきたことばが、今でも使われ続けていること。それだけでも、すごいことなのではと僕は思っています。

例えば、長崎に伝わる「凧」。長崎では、「ハタ」と呼びます。一説では江戸時代に伝わったとされる「ハタ」は、当時の長崎っ子を熱狂させました。
現在でも、毎年春には「長崎ハタ揚げ大会」という行事が長崎市の唐八景や金比羅山、稲佐山、そして風頭山で開催されています。

僕にとって長崎の方言は、長崎に住む人々の日常に寄り添うことばのように思えたのです。

また、僕が驚いたのは、長崎の方言は少なくとも17世紀からその歴史をたどることができるということ。前に述べた「凧(ハタ)」もそうですが、普段あまり意識せずに使っていることばの中には、少なくとも江戸時代からは使われ続けているものもある…と考えると感動してしまいました。

ちなみに、このブログで紹介した「よか」や「ずっきゃんきゃん」(記述では「ずんきゃんきゃん」)は19世紀前半頃に成立したとされる『筑紫方言』に記述がされています。

当時は使われていたものの、現在では耳にすることがなくなったことばもあると思いますが、長崎のことば一つひとつに思いを馳せてみることが、本当に楽しいのです。

拙い文章だったかもしれませんが、読んでいただきありがとうございました。ここでは語りつくせないところもありますが、これからも長崎のことばについて楽しく触れてもらえるように書き続けていきます。


・参考文献…坂口至(1998):日本のことばシリーズ 42 長崎県のことば(明治書院) p198.

2 件のコメント:

  1. SafariとiPhoneからコメントが書き込みできなかった^^;
    だから前回コメントしてたのも上手く投稿できてなかったみたい。

    ハタあげって昔言ってたような言ってなかったような。。。最近その言葉使ってないから忘れちゃった^^;  しかも「ハタ」が方言なんて知らなかった〜

    前の記事もそうだけど、自分の地元と似ているところもあれば全然違うとこもあって面白かった〜!長崎が離島が多いから、そういう地域ではさらに独特の方言があるのかな??


    今後も長崎弁シリーズ楽しみ。長崎の景色なんかも見てみたいです(笑)

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    1. ぐっさん>コメントありがとうございます!

      そうでしたか!長崎市内では凧のことを「ハタ」と呼ぶのですが、僕が現在住んでいる佐世保市内ではそのまま「タコ」と呼ぶみたいです。

      長崎弁は、九州の方言では「肥筑方言」に分類されるので、同じ分類の佐世保弁、博多弁、佐賀弁などと共通の特徴を有することばがいくつも存在します(ちなみに、以前紹介した「ばい」や「たい」はその一つです)。
      もちろん、他の方言にはない特徴も色々あるので、それに気づくのも面白いです。離島の方言については全く聞いたことがないのですが、地域によっては異なるところもありそうですね!

      長崎弁の話を楽しみにしてもらえて、本当に嬉しいです。ありがとうございます!次回の更新ですが、実は長崎の景色をピックアップするつもりでいました!というわけで、そちらもどうぞよろしくお願いします。

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