2014/12/18

長崎弁の話 その7。 ~「じげもん」ということばから感じたこと~

約3週間ぶりの更新となってしまいました。今回は久々に、長崎弁の話をしたいと思います。

このブログで長崎にまつわる好きなこと・ものについて書き始めてから約4ヶ月。その中で、僕が話題にした内容の約半分は「長崎弁」のことなのですが、地元長崎のことばについて書いたり調べたりいるうちに、長崎のことばへの愛着がさらに湧いてくるようになりました。

そういった中で、最近ますます好きになった長崎のことばがあって、今回はそれを紹介したいと思います。そのことばとは、「じげもん」です。

「じげもん」は、「地元の人・地元の物」という意味で使われることばです。おそらく、テレビやラジオで長崎の特産品が紹介される場面などで、このことばを耳にされることがあるのではないでしょうか。

最近なぜ「じげもん」ということばが好きになっているかというと、自分が生まれ育ったまちに、「地元」を表現する方言があるということ。そして、そのことばが今も使われ続けていること。
住んでいるまちや、風景、その場所にまつわる歴史、他には自然など…、あげるとキリがないですが、「じげもん」ということばからは、それらに対する愛情を感じるのです。

長崎のことばは、僕自身にとって切っても切り離せないものになっていますが、「じげもん」はこれからも大切にし続けたいことばの一つです。


さて、ブログの更新ですが、個人的な都合もあり今年はこれで最後にします。読んで下さった皆様本当にありがとうございました。 次の更新は来年の1月に。

来年も、このブログをどうぞよろしくお願いします。




2014/11/27

長崎の伝統工芸品「ビードロ」 ~吹きガラス体験記~

僕自身がすごく好きな長崎の伝統工芸品、ビードロ。いわゆる、吹きガラスのことです。先日長崎へ帰った際に、ガラス工房「瑠璃庵」さんで吹きガラス体験をさせていただいたのですが、今回はその体験記です。

吹きガラス体験をしたいと思ったきっかけは約1年半以上前のこと。会社の方の還暦祝いのプレゼントを求めて「瑠璃庵」さんを訪れた際、作品を眺めているうちに、鮮やかな発色をした様々なビードロに魅了されました。
また、そのとき吹きガラス体験をされている方がいらっしゃったのですが、しばらくその様子を観ているうちに、「自分もお洒落なマイグラスを作ってみたい!」と思うようになったのです。

ということで、ここからは僕自身の吹きガラス体験の様子を少しですがお話ししますね。

まずはガラスを窯の中から取り出していくのですが(この作業はお店の方にしていただきました)、窯の中の温度は何と、約1100℃(!)にもなるとのこと。少し離れたところから観ていましたが、この段階で早くも緊張しました。

そして、いよいよ吹きざおに息を吹いてガラスを膨らませていくのですが、このとき、さおをクルクル回転させながら息を吹かなければいけません。ずっと息を吹き続けるのはさすがに大変なので、息継ぎも必要です。ただし、息を吹きかけることに意識が向き過ぎると、さおを回転させる手が止まってしまい失敗につながる可能性もあるので、複数のことを同時に意識しながらの作業になりました。

それともう一つ。吹きざおの下側に触れると高温の為火傷してしまうので、さおの上側を持つようにします。これも注意が必要です。

窯の中にガラスを入れて形を大きくして、また息を吹いて、ガラスがある程度形になったら、水で濡らした布にあてて形を整えて…という作業を繰り返しました(1枚目の写真は、息を吹いてガラスを膨らませている最中の僕です)。


僕はグラスを作ることにしていたのですが、その際に、大きなピンのような道具で口の部分を拡げていく作業が必要になります。最初はピンの部分を閉じた状態にして、徐々にピンを開いてガラスの口を拡げていきます。
この作業は、グラスの形を左右するのでかなり重要です。そのため、この作業が最も緊張したのですが、それにはもう一つ理由が。

それは、僕が左利きであるということ。一体どういうことかというと、作業台は右利き用に設置されているためなのです。利き手が左だからといって、左手で道具を持って作業することはできません。写真でもお分かりかと思いますが、道具を持つ手は右。
「どうかうまくいきますように…!」と気持ちを込めながら口の部分を拡げていきました(2枚目の写真がその様子)。

利き手ではないこともあって、やや力んでしまい、思うように道具を使うことができたという実感があまりなかったのですが、口の部分がちゃんと形になったときはとりあえず一安心でした。
吹きガラスづくりで体験させていただいた作業の多くは、複数のことを同時に意識しながら行うのですが、左手と右手でそれぞれ異なる動作をしないといけない場面は特に気が抜けませんでした。

翌日の午後には完成したグラスの受け取りができるということだったので、ワクワクしながら翌日を待つことに…。

そして、完成品がこちら!お店の方々の丁寧な説明とレクチャーのおかげで、素敵な作品が出来上がりました!


完成品を初めて見たときの嬉しさは、本当にひとしおです!ずっと大切にしたいグラスになりました!

今回の体験記でお話しした作業はほんの一部ですが、吹きガラス体験の雰囲気が、読んで下さった皆さん伝わったなら大変嬉しいです。きっと旅の思い出にもなると思いますので、長崎へ観光されたときに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか(ちなみに、「吹きガラス体験」などの体験メニューは事前の予約が必要です)。


追記:吹きガラス体験の写真2枚につきましては、「瑠璃庵」のご主人に撮影をしていただいたもので、当ブログでの使用についてもご主人より快く了承をいただきました。この場を借りて、誠に御礼申し上げます。

2014/11/19

長崎弁の話 その6。 ~長崎弁の方向助詞~

つい最近まで、長崎の方言だと思いもしなかったことばがありまして…

ある日、実家に帰省していた時のこと。父と僕との会話の一部。

父:「明日の予定はもう決まっとっとね?」

僕:「午前中は図書館に行くつもりばい。」

長崎弁でのやり取りですね。さて、ここでちょっとしたクイズを出します。
僕の一言の中にある長崎の方言は、一体何でしょうか?



とりあえず、少し考えてみて下さいね。…ではでは、お分かりになりましたでしょうか?



一つ目は、「ばい」。これはすぐに分かったのではと思います(このブログでも取り上げていることばなので、気になる方はこちらも読んでみてくださいね)。
「あれ、ちょっと簡単過ぎでは…?」と思われたかもしれませんが、長崎の方言があともう一つあります。さて、何でしょう…?



答えは、「に」。これは気づいた方とそうでない方と両方いらっしゃると思います。
前フリが長くなって恐縮ですが、今回紹介するのは、長崎弁の「方向助詞」です。標準語で方向を表す助詞は「へ」ですが、長崎の方言では「に」と「さん」が相当します。…決して、数字の話じゃないですよ!
一つ目の、「に」については、僕自身「え、これって長崎弁ね!?」と思ったほどで、むしろ標準語と勘違いしていたほど。

もう一つの方向助詞、「さん」が長崎の方言であることは知っていたのですが、僕はあまり使うことがありません。あくまで個人的な印象ですが、ご年配の方が使われているのを耳にすることが多く、どちらかいうと「さん」の方がより方言らしく感じられます。では、どう使われるかというと…

「今日はどこさんお出かけになるとね?」(今日はどこへお出かけされるの?)

「向こうさん行ったらふとか道のあるけん、すぐ分かるばい」(向こうへ行ったら大きい道があるから、すぐ分かるよ)
 
「さん」ということばには「敬称」のイメージがあると思うので、県外の方からすると不思議な響きを感じるのではないでしょうか。

今回紹介したことばも、頭の片隅に入れておいていただけると長崎を旅行されるときに会話のヒントになると思います。ということで、今回は方向助詞の話でした!


・参考文献…坂口至(1998):日本のことばシリーズ 42 長崎県のことば(明治書院) p23.

2014/11/13

長崎弁の話 その5。 ~尊敬表現のこと~

今回で5回目になりました、長崎弁の話です。今回は、文法的表現の一つについてピックアップしていきます。

長崎の方言には、相手への「尊敬」を表すために用いられることばがあります。僕自身も、普段の会話だけでなく、仕事でも使うことが多いことばです。 と言うのも、仕事柄、長崎弁の方がコミュニケーションがとりやすい場面があるためです。

さて、尊敬を表すことばにいったいどんなものがあるかというと…

主に、「~なさる」・「~なる」・「~(ら)す」・「~(ら)る」の4つです。

これらの中で、僕自身は「~らす」と「~なる」の2つについては、普段の会話で耳にするだけでなくよく使います。特に使うことが多いのは、「~らす」です。

ではどう使うのかというと…、例を2つ紹介します。


1.

A:「先輩はいつ頃らすと?」 (先輩はいつ頃来られるの?)

B:「たしか、12時頃ばい。」 (たしか、12時ごろだよ。)


「こらす」と聞いて、もしかしたら「凝らす」という言葉が頭に浮かぶかもしれませんが、間違えないように気を付けてくださいね。ここでの「こらす」は、「来る」の尊敬を表す言葉と覚えていただけたらと思います。

長崎を観光された際に、地元の方から「どこからこらした(きなさった)とね?」(どこから来られたの?)などと訊かれることもあるかもしれませんが、そのときは上のやり取りを思い出してもらえたら会話がしやすくなるかと思います。

2.

A:「あの人は何ば飲みよんなると?」 (あの人は何を飲んでいらっしゃるの?)

B:「紅茶ば飲みよらすとよ。」 (紅茶を飲んでいらっしゃるよ。)


「~なる」も「~らす」も本当に耳にする場面が多いんです。それだけに、色々な言葉と組み合わさると「?」マークが浮かぶかもしれませんね。

先ほど、尊敬を表すことばは4つあるということを話しましたが、実は、それぞれ敬意の高さが異なります。

敬意の高い方から、「~なさる」>「~なる」>「~(ら)す」・「~(ら)る」という順番になります。同じ尊敬表現といえど、それぞれ敬意の高さに違いがあることには驚きました。

ということで、今回は長崎弁の尊敬表現について簡単に話をしました。まだまだ長崎弁については色々書いていきますが、長崎を訪れる際に、このブログで触れた長崎弁の話を少しでも役立ててもらえたら嬉しく思います。


・参考文献…坂口至(1998):日本のことばシリーズ 42 長崎県のことば(明治書院) p18-19.

2014/11/07

長崎弁の話 その4。 ~「オガミタロー」って何だ?~

久々に、長崎弁の話です。今回紹介するのは、僕自身も最近まで知らなかったことば。初めて耳にしたときのインパクトが強烈で、いつか紹介したいと思っていたことばです。

そのことばとは…、「オガミタロー」

「…え、誰?」と思った方、これもちゃんとした長崎弁なんです!
と言われても、いったい何のことかチンプンカンプンですよね。
ある昆虫のことを「オガミタロー」と呼ぶのですが、一体なんだと思いますか…?





その昆虫とは…、「カマキリ」のことなんです!

あくまで推測ですが、両前足をこすり合わせる姿が、何かを拝んでいるように見えたのかもしれません。

「カマキリ」の長崎県内での呼び方については、西島宏氏(1956)によって研究がされているのですが、それによると、「オガミタロー」という方言語彙は、東彼・大村・長崎・西彼の一部に分布しているという考察結果となっていました。

それでは、他の地域ではどうかというと…ここで紹介するとキリがありません。というのも、カマキリの方言語彙が「オガミタロー」の他に少なくとも約20種類はあるためです。「カマキリ」の呼び方だけでもこんなに種類があるとは!このことにもまた驚かされました。

ちなみに、カマキリのことを英語では、“praying mantis”といいます。“pray”は、日本語で「祈る」という意味ですね。
「拝む」と「祈る」。意味が似通った2つのことば。 カマキリが両前足をこすり合わせる仕草は、外国でも「祈り」を連想させるものがあったと考えてみると、言葉の不思議さを改めて感じます。

他にも、また異なる発見が。秋の季語に、「おがみたろう」が、あるのです。もちろん、カマキリのことです。
「おがみたろう」が季語ということを知り、「この言葉が方言として一部の地域で使われるようになるまでには、何百年にもわたる長い年月があったのだろうか…」ということも少し考えたりしました(これもあくまで、個人の推測です)。

話が色々な方向に脱線してしまいましたが、 長崎のことばについて知ることが意外な発見につながっていて面白かったです。まだまだ色々調べてみたいと思います。


・参考文献…西島宏(1956):長崎県方言語彙の一考察 ―その分布を中心として― p53.

2014/10/23

2014年長崎くんち「庭先回り」レポート! その3。 ~五嶋町 「龍踊」~

前回に引き続き、今回も2014年長崎くんち「庭先回り」の様子を紹介していきます。3回目の今回は、五嶋町の「龍踊」!

長崎くんちの演し物というと、龍踊はやはり欠かせません!僕自身も、「帰るなら、龍踊を観てから帰らねば」という気持ちでいました。

もともと龍踊は、古くから中国で雨乞いの儀式として行われていたそうです。雨、ということで思い出したのですが、「今年の長崎くんちはひょっとして雨が降るんじゃない?」という話もあったのだとか。

というのも、今年は西濱町が「龍船」を奉納することに加え、もう一つ理由が。これについてはもうちょっと先で。

さて、中央公園で演し物を披露する前に、ちょっと驚いたことが。庭先回りで、「演技をするにはさすがに狭いのでは?」と思うような場所にも龍踊の班が!ショートバージョン(?)で演し物を披露しながら中央公園へと少しずつ近づいてきていました。


写真を見て、「あれ、白い龍?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんね。一体どういうことかというと、今年は、「青龍」だけでなく「白龍」もお目見えしていたのです。中央公園にやって来たのは、その「白龍」の班。

ここで雨の話のくだりに戻りますが、もう一つの理由というのは、そう、龍踊の龍に白龍が加わったから。つまり、今年の長崎くんちでは龍が3体もお目見えしていたということになります。 さすがにこれは僕も初めて。しかし、この日はその不安もなんのその。雲一つない晴天でした!


さて、龍踊の白龍班が中央公園に到着!パッと見て、その人数は30名前後だったと思います。庭先回りの途中で交代しながら演技をされているのでしょう。この演技も、かなりの体力を要することがうかがえます。


龍が玉を追いかけるシーンです。ここから少しあとで、龍がとぐろを巻いて、隠れてしまった玉を捜す場面になります(写真を撮り損ねてしまいすみません)。


捜していた玉を発見した龍が、月を追いかけて激しく動きまわります!前回の「川船」とはまた異なる意味で気が抜けませんでした。躍動感のある動きは、他のメンバーとの呼吸が合ってこそのパフォーマンスだということを肌で感じました。

ここでもまた会場は大盛り上がり!もちろん、「モッテコーイ」と「ヨイヤー」の掛け声の嵐となりました!僕自身、しばらく声が枯れ気味になってしまいましたが、それも良い思い出です。

さて、「庭先回り」のレポートは今回で最後となりましたが、長崎くんちの雰囲気や魅力、楽しい様子などが読んで下さった方に少しでも伝わったら幸いです。

もっと色々な場面に注目して、長崎くんちの雰囲気が伝わるような写真を収めておけばよかった…、という反省点もありますが、これは今後の課題です(汗)

気が早いようですが、次は今年以上に楽しんで、そして、長崎くんちの魅力をもっと伝えられるようになりたいと思っています。

全3回、読んでいただきありがとうございました!

2014/10/16

2014年長崎くんち「庭先回り」レポート! その2。 ~麹屋町 「川船」~

前回に引き続き、長崎くんちの庭先回りの様子の一部を紹介したいと思います(注:自身のスケジュールの都合等もあり、観れなかったものもありますがどうかご了承ください)。

今回紹介するのは、麹屋町の「川船」です。

長崎くんちで奉納される演し物には、毎年奉納されるものもあれば、7年に1度のものもあります。
「川船」は毎年奉納される演し物で、今年は麹屋町が踊町をつとめました。

この「川船」、息を呑む瞬間があったり、勢いに圧倒される場面があったりで、僕自身がすごく好きな演し物の一つです!これを観て、祭り気分が一気に高まってしまいました!

川船の見どころの一つは、少年網打ち船頭による、「網打ち」!


準備もほぼ整い、さあ本番!一発勝負です。はたして、大漁となるでしょうか。「どうかうまくいきますように…!」と願いながら観ていましたが、その結果は…


網に見事にかかった!…と思ったら、1匹が網に入るか入らないかギリギリのところ。根曳の方のフォローもあり…、


大漁!会場からは、「ヨイヤー」の声があがりました!

さて、前回は出てこなかった掛け声がここで登場しましたね。「ヨイヤー」という掛け声です。先ほどのように、網打ち船頭が投げた網に魚がかかったときなどにこの掛け声が使われます。

ちなみに、長崎くんち以外でも「ヨイヤー」の掛け声を耳にすることができます。それは、毎年春に行われる「長崎ハタ揚げ大会」(長崎市内では、凧のことを「ハタ」と言います)で、相手の凧の糸(「ヨマ」と言います)を切ったときにもこの掛け声が使われます。

さて、話を戻しますね。もう一つの見どころは、根曳の方々による演技!ちなみに、麹屋町の川船は重さが、なんと、約3t!他の踊町の川船と比べても最も重量があるのだそうです。


観客席の最前列ギリギリまで迫ってくる場面が何度もあり、そのたびにハラハラ!近くでは、思わず「わっ」と声を上げる人も。前へ!後ろへ!そして、豪快に何度も回る!いつの間にか、川船の力強い動きに釘づけに。全身全霊で川船を動かす根曳の方々の姿、これには本当に胸が熱くなりました。

会場が盛り上がるにつれ、「ヨイヤー」「モッテコーイ」の掛け声がどんどん交わされるようになり、僕自身も何度も「モッテコーイ」と言っていました。その影響で、早くも喉を少し痛めてしまうというハプニングに!(汗)それだけ、観ていて心が躍りました!

ぜひとも、これも生で観てほしいと思います!

ということで、今回はここまで!次回まで続きます!

2014/10/13

2014年長崎くんち「庭先回り」レポート! その1。 ~万才町「本踊」~

長崎を代表するお祭り、「長崎くんち」。毎年10月7~9日の3日間にかけて開催される、諏訪神社の秋の大祭です。今年は、「庭先回り」を観に行ってきました!…ということで、その様子を数回に分けてレポートしたいと思います。

「長崎くんち」という言葉を耳にすると、やはり「龍踊り」や「川船」、「本踊」などなど…といった演し物が連想されるかと思います。これらの演し物は、諏訪神社や長崎市公会堂前広場、八坂神社などで披露されたのち、「庭先回り」で披露されます。

「庭先回り」では、各踊町が長崎市内の家々やお店、そして県庁といった官公庁などで演し物を呈上して回ります。今回は、8日(中日)に庭先回りのルートとなっていた中央公園をメインに、演し物を観れるだけ観てきました。

最初に観たのは、万才町の「本踊」。披露した踊りの中には、「長崎ぶらぶら節」が!以前から知っていた曲でしたが、聴いたのはこれも久々でした。そして、僕の印象に強く残ったのは、「長崎万歳」という曲!
じげもん(長崎のことばで、「地元の者」という意味です)の心を熱くする歌詞に、会場全体のお祭り気分がより高まってきているのが分かりました(写真は、「長崎万歳」のときの物)。僕自身も、この曲にはグッときました。


後になって知ったのですが、「長崎万歳」が披露されるようになったのは1993年(平成5年)からとのこと。曲自体もその頃に作られたものだそうです。伝統を守るだけでなく、新しいものを取り入れようとする試みを以前から積極的に取り入れていることが窺えます。

会場では、「ショモーヤレ」の掛け声も聞けました!さて、長崎くんちの掛け声と聞いて、「モッテコーイ」を連想される方が多いかと思いますが、本踊での掛け声は「ショモーヤレ」。本踊のアンコールをするときには、この掛け声です!掛け声には他にも種類があるので、あらかじめ覚えておくと長崎くんちをさらに楽しめると思いますよ!

ということで、今回はここまで!次回に続きます。






2014/09/30

長崎弁の話 その3。 ~ちょっと不思議な(?)方言「よか」~

今回は、長崎弁の話。ある形容詞をピックアップしていきます。

…と、その前に。ここで長崎の方言における形容詞の特徴について、ちょっとした説明をしておきますね。

長崎の方言における形容詞について、著:坂口至氏「長崎県のことば」(明治書院)では、般的に形容詞の終止形には、「カ」を用いる(「カ語尾」)という特徴があることがあげられています(ちなみに、対馬では「イ語尾」が用いられる とのことです)。

例えば、「楽しい」は「楽しか」、「おもしろい」は「おもしろか」、「暑い」は「暑か」、といった活用形になります。 このことを、頭の片隅にでも良いので覚えていただけたらと思います。

最近、「県外の方が意味を理解するのに戸惑ってしまうのでは?」と思うようなことばがあることに気が付きました。それが、「よか」。僕自身もよく使いますが、本当に使う場面が多いんですね。

たとえば…、

例1.

A:「明日の天気はどげんね?」(明日の天気はどう?)

B:「明日は晴れるげな、日傘ば持って行ったらよかばい。」(明日は晴れるそうだよ。日傘を持って行ったら良いよ。)

ここでは、「良い」という意味で「よか」が使われています。これは前述の長崎弁における形容詞の特徴からもピンとくるのではと思います。さて、「え、戸惑うことがあるの?」と疑問に思った方がいらっしゃったのでは…?

ということで、次のやり取りです。

例2.

A:「カステラば貰ったとばってん食べる?」(カステラを貰ったんだけど食べる?)

B:「今お腹いっぱいけんがよかばい。」(今お腹いっぱいだからいらないよ。)

ここで使われている「よか」は、決して「良い」という意味ではありません。ここでは、「いらない」という意味と考えてもらえたらと思います。驚いた方もいらっしゃるかと思いますが、「必要がない」ということを伝える場合にも、「よか」を使います。

2つの短いやり取りを読んでお気づきかと思いますが、それぞれのやり取りで、「よか」の意味が異なっています。

ここでは文章で表しているので、「よか」の意味を推測しやすかったかもしれませんが、もし県外の方が実際に耳にすることがあれば、「?」マークが頭に浮かんでくるかもしれませんね。

肯定的な意味で使われたり、否定的な意味で使われたり…、普段から長崎弁で話すことが多い僕も、この言葉については不思議だなと思わずにはいられなくなりました。

長崎のことばの面白さ、不思議さにますます惹かれていきそうです。

2014/09/23

中国のお菓子「マーラーカオ」

前回、「長崎中華街中秋節」に行った時の様子について書きましたが、今回はその時に紹介していなかった中華菓子の話をしたいと思います。

以前も書きましたが、このお祭りを観に行った際に、ちゃんぽんをものすごく食べたくなったんです。そこで、お祭り限定のチケット「お月見券」を購入して「蘇州林」というお店へ。このときに、「上ちゃんぽんセット」を注文しました。
このセットでは、ちまきや唐揚げ、ハトシ、胡麻団子、杏仁豆腐などの中から好きなものを1品選べるようになっていました。ここで、選んだのが中華菓子の「マーラーカオ」

なぜ選んだかというと、僕自身が大の甘党であることに加え、「マーラーカオ」の説明に「蒸しカステラ」という文字が。「一般的に知られる、あのカステラと一体どう違うんだろう??」ということが気になったのです。

注文してから待つこと約20分…、テーブルに「マーラーカオ」が甘い香りとともに運ばれてきました。




個人的な印象ですが、見た目は「カステラ」というよりは、「蒸しパン」といった感じがしました。
生地はふわふわとしていてデリケート。 フォークを入れる時に力がはいりすぎると生地がポロッと崩れることも。写真では見えにくいとは思いますが(汗)、中には栗が入っているのも見逃せません。




食べてみると、甘さは控え目ながら優しい味わい!ふんわりとした食感です。栗の持つ甘味との調和もとれているように感じられました。
今回はちゃんぽんを食べた後でいただいたのですが、甘さが抑えられていることもあって食べやすく、きれいに完食しました。

「マーラーカオ」はお店の中で食べるのも良し、新地中華街で食べ歩きも良し、だと思います。新地中華街を訪れた際にはこちらもぜひ食べてみて下さい!オススメです!

2014/09/19

「長崎中華街中秋節」を観に行ってきました!

先日のことですが、「長崎中華街中秋節」というお祭りを観に行ってきました。

中秋節といえば、旧暦の8月15日、中国では伝統的な節句の日でもあります。
長崎で開催される代表的なお祭りに、「ランタンフェスティバル」があります。このイベントは全国的にも認知度が高いと思いますが、今回紹介するのは「長崎中華街中秋節」。今年で10回目を迎えたイベントなんですが、実のところ僕自身もこのイベントが開催されていることを最近まで知りませんでした。

このイベントでは新地中華街一帯でランタンが飾られるんですが、そこで観ることができるランタンは、なんと、黄色一色!まさに、お月見モードでした。

空が暗くなるにつれて、ランタンの黄色が映えてきます。

この日のベストショット!です。


県外や外国から観光で来られた方も見受けられましたが、そのほかにも家族連れの方、仕事終わりのサラリーマンの方々なども多く訪れていました。多くの中華料理店では順番待ちのお客さんの姿も。いつも以上の賑わいが感じられました。

また、「ランタンフェスティバル」ではお目にかかれないであろう光景も。 新地橋の広場で、家族あるいは仕事仲間とビールを片手に夕涼み…、こういった楽しみ方は「中秋節まつり」ならではかもしれません。

もう一つ注目なのが、「お月見券」。このチケットを購入すると、それぞれのお店の「お月見セット」(イベント限定のセット料理、中華菓子や雑貨などなど…)を食べること(購入すること)ができます。お土産に中華菓子(一口香と胡麻団子)とお茶(ジャスミン茶)のセットを買ったのですが、写真は残念ながら撮り損ねてしまいました。悪しからず。


ちょうどお腹もすいていた頃で、「久々に新地中華街のちゃんぽんを食べたか~!」という気持ちなっていたので、お月見券を購入してちゃんぽんをいただきました。
今回いただいたのは、「蘇州林」の「上ちゃんぽん」セット!

ちゃんぽんの他にもう1品選べるということだったので、今回は「マーラーカオ」というお菓子をチョイス。


僕がちゃんぽんを食べるときにすごく気になるのは、「いったいどんな具材が入っているんだろう?」ということ。具材はお店によって様々で、季節によっても何が入っているかが異なるので、ちゃんぽんを食べる際の楽しみでもあります。

ちなみに、今回いただいた「上ちゃんぽん」には、豚肉、海老、イカ、エリンギ、冬瓜、筍、人参、もやし、竹輪などが入っていました。エリンギや冬瓜が入っているちゃんぽんを食べたのは、今回が初めて。スープは若干とろみがありますが、あっさりした印象。鶏ガラを使っているそうです。スープがそれぞれの具材の味を丁寧に引き立てているように感じられました。
そして、少しモチッとした食感で、スープの旨味を吸っているちゃんぽん麺もまた格別!

お腹も心も満たされました!…と、「中秋節まつり」のほうに話をまた戻しますね。デザートの「マーラカオ」についてはまた別の機会に。

さて、この日は新地橋広場で二胡の演奏が行われていました!二胡の音色は僕自身も好きで、ついつい聞き入ってしまいます。夜空の下で聴く二胡の演奏は、耳にしていて本当に気持ちがいいです。色々な楽曲が演奏されていたんですが、唯一僕が分かったのは坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」(これも写真が無いため、演奏中の雰囲気が伝わりづらくなってしまい恐縮です)。

ちなみに、この日はイベント最終日!巷では「スーパームーン」が見られると話題だったようですが、不覚にも(!)見逃してしまいお月見とならず…。これはさすがに反省です。

束の間でしたが、観光客になった気持ちで色々見て歩く楽しいひと時を過ごすことができました。
中秋の新地中華街も、明るく賑やかなので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!

2014/09/07

長崎弁の話 その2。 ~「ずっきゃんきゃん」・「とっきゃんきゃん(とんきゃんきゃん)」~

今回も、長崎弁の話をしたいと思います。前回は「ばい」と「たい」。日常会話でよく使われる言葉をピックアップしてみました。

さて、今回は…地元長崎の方でもあまり耳にする機会がないのでは?と思うような長崎弁を紹介します。

早速ですが、皆さんは、「ずっきゃんきゃん」あるいは、「とっきゃんきゃん(とんきゃんきゃん)」という長崎弁を聞いたことってありますか?

「…え、それって本当に方言なの!?」と思われた方がいらっしゃることと思いますが、ちゃんとした長崎弁です!では、いったい何のことだと思いますか?

…といきなり言われても何のことやら、ですよね。ヒントは、 花火大会などでお父さんが子供にしているところをたまに見かけることがあります。…ヒントになってなかったらごめんなさい(汗)。

では、いったいどういう意味なのかというと…


「ずっきゃんきゃん」や「とっきゃんきゃん(とんきゃんきゃん)」は、「肩車」のことなんです!


多分、ヒントがなかったら意味が全く想像のつかない方言なのでは?と思います。

僕自身が前から知っていたのは、「とんきゃんきゃん」だけなんですが、たぶん幼稚園生だったころまでは耳にしていたと思います。だいぶ前のことを思い出していると、家の近くを散歩中、父親に肩車をしてもらった頃が懐かしく感じられます。

肩車をしてもらわなくなった頃ぐらいから 、その言葉を聞く機会は次第に減って、もう長いこと耳にしなくなったんですが、最近あるラジオ番組で十数年振りに耳にしたのです。

そのとき、「あー、すごく懐かしい長崎弁だ!」、と思わずにはいられませんでした。

ちなみに、どうして「肩車」のことを「ずっきゃんきゃん」や「とっきゃんきゃん」などと呼ぶようになったのかは僕自身もよく知らないので、その理由も非常に気になるところです。

それでは、今回はここまで。まだまだ紹介したい長崎弁がいろいろです。

2014/08/30

長崎弁の話 その1。 ~「ばい」と「たい」の違い~

約1週間ぶりの投稿です。さて今日は、長崎弁の話です。

このブログでは、マイブームになっている長崎弁のことについても、色々とピックアップして書いていきます。

今回は、普段の会話でもよく使う方言、「ばい」「たい」の違いについて話したいと思います。

「ばい」と「たい」。文末に使われる長崎方言の代表といっても過言ではないと僕は思っています。
長崎県外在住の方も、おそらくこの2つの言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「…え、違いがあるの!?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
「ばい」と「たい」は、それぞれ場合によって使い分けることがあるんです!

ではではさっそく、その違いを短いやり取りを例に話していきたいと思います。

1.「ばい」

A:「あいから体調はどげん?」(あれから体調はどう?)

B:「今はだいぶ良うなったばい。」(今はだいぶ良くなったよ。)


2.「たい」

A:「寝坊して間に合わんやった!」(寝坊して間に合わなかった!)

B:「夜更かしばしたけんたい。」(夜更かしをしたからだ。)


かなりコンパクトなやり取りで大変恐縮ですが、とりあえず、言い方や響きが何となく違うなと感じてもらえたら幸いです。

「ばい」 が使われている方は穏やかに説明する感じ「たい」の方は何だかちょっぴりきつい言い方になっているような印象です(注:あくまで今回の例において、です)。

では、具体的にどう違うのか。著:坂口至氏「長崎県のことば」(明治書院)によると、「ばい」は 話し手の感情を直接に表し、自己の判断の確認や、それを穏やかに教示する場合に多く用いられる とあります。

一方、「たい」は客観性の強い事柄や自明の事柄を言明するときに用いられることが多い とあります。

たとえば、物事について自分自身の思った感想や気持ちを述べるときなどには文末に「ばい」が使われることが多くなり、物事について述べる際に、理由を特に説明をする必要性がないと思われる場合は、「たい」の方が多く使われると考えられますね。

実際に普段の会話を思い起こしてみると、僕自身、無意識に使い分けているんです。個人的な印象ですが、「ばい」のほうがどこか優しい響きになるような、そして「たい」のほうがちょっとだけ冷たい感じになるような気が。
もしかしたら、「あ、それ分かるかも!」という方もいらっしゃるのでは…?

文法的な話が入って小難しい感じになってしまいましたが、今回紹介した2つのことばのニュアンスは、実際に長崎弁での会話を聴いてみると掴めると思います!

長崎を訪れた際には、長崎の方言に触れてみるのも新鮮で面白いですよ!

それでは、今回はこの辺で。また色々ピックアップしていきます!


2014/08/21

長崎のケーキ「シースケーキ」

2回目の投稿です。前回は簡単な挨拶だけで終わりましたので、今回初めて、長崎にまつわる好きなものについて書いていきます。

今回紹介するのは、「シースケーキ」です!

ケーキと聞いてまず最初に僕の頭に浮かぶのは、他でもない、シースケーキ。
家族や親戚がケーキを買ってきたとき、その中に、ほぼ毎回シースケーキが1~2つは入っていたことを覚えています。

このケーキは、長崎市内でしか、なかなかお目にかかれません!
地元である長崎市を離れ、佐世保市へ移り住んでからの話ですが、ある日ケーキ屋さんへ立ち寄った時のこと。ショーウィンドウを眺めているときに、なんとなく違和感があったんです。

「あれ…、何かがないような…?」

「…」

「…あ、シースケーキが、ない!」

他のお店のショーウィンドウを探してみても、そのケーキは見当たらず。
生まれも育ちも長崎市、そして大の甘党の僕にとっては衝撃でした…。
もしかしたら、長崎市に住んでいたことがあって同じような経験をしたという方がいらっしゃるのでは…?

さて、今回訪れたのは、浜町アーケードにある「梅月堂」。シースケーキ発祥のお店です!




こちらのお店では、「シースクリーム」という名前で販売されています。
さて、そのシースクリーム。名前からはどんなケーキなのか想像がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

一体どんなケーキかというと…











数年ぶりということもあって、感動の対面(ちょっと大げさだったでしょうか?)。でもそれだけ好きなケーキなんです。

ここからは個人的な感想ですが、見た目はすごくシンプルな印象。中央には、缶詰の黄桃とパインアップルが生クリームの上でキラキラと存在感を放っています。
 
スポンジとスポンジの間にはカスタードクリーム。スポンジはしっとり、カスタードクリームは程よい甘さでマッチしていました!生クリームもふわふわしていて全体的に食べやすかったです。




黄桃とパインアップルは、シロップがかかっていて十分な甘味がありました。黄桃とパインの甘味が、カスタードクリームの程よい甘さで引き立っているような印象です。

また、口にした瞬間、どこか懐かしい感じを思い出しました。もしかしたら、缶詰に入っているシロップ漬けされたフルーツを、子供の頃によく食べていたからかもしれません。

今回、久々のシースケーキに、お腹も心も満たされてきました。

長崎のお菓子と言うと、カステラを連想される方が多いかと思いますが、それだけじゃないんです!まだまだ他にもありますが、それはまた別の機会に。

シースケーキも地元で愛され続けているケーキなので、長崎に来られた際には、ぜひご賞味あれ!

2014/08/17

ごあいさつ。

ブログ開設!ということで、第一回目の投稿です。

このブログでは、「長崎の魅力」を、長崎にまつわる個人的に好きなこと・ものを中心にいろいろ書いていきます。

ちゃんぽんやトルコライス、カステラ、そして他にもまだまだ紹介したい長崎の料理や、長崎の観光スポットを訪れての体験記、マイブームの長崎弁に関連したエピソード、などなど…を「長崎の魅力」とともに伝えていきたいと考えています。

このブログの記事が、読んで下さった方が「長崎へ行ってみたい!!」と思うきっかけになったら幸いです。

簡単な挨拶になりましたが、どうぞよろしくお願いします。