今回も、長崎弁の文法的な話をしたいと思います。過去に何度か、長崎弁のなかでも耳にすることが多いことばを中心にピックアップしてきました。今回紹介することばは、タイトルでも書きましたが、「普段の会話で最も耳にすることが多いのでは…?」と個人的に思っています。
例えば…
「なんばしよっと?」(なにをしているの?)
「よーっと話ば聴いてね!」(しっかり話を聴いてね!)
「今度映画ば観に行こうで」(今度映画を観に行こうよ)
「宿題ば忘れたけん、先生にがられたばい」(宿題を忘れたから、先生に叱られたよ)
「その本ば読んだら、ヒントの得られるかもしれんよ」(その本を読んだら、ヒントが得られるかもしれないよ」
などなど…、今回はいつになく例文が多いのですが、「例文ば考えて」と言われたらいくつも出てきそうな勢いになります。
もうお分かりかと思いますが、そのことばは、「ば」のことです。主に、動作の目標や対象を示すために使われる助詞(対格助詞)で、標準語では「を」に相当します。
…と言われてみると、「あ、意外とそうかも!?」とか、「『ば』を使わん日はなかばい!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?長崎に在住されたことのある方は、多分ピンとくるものがあったのではと思います。
文法的に使われるということが要因にあげられるかもしれませんが、「ば」という方言が、長崎に住んでいる人にとって、普段の会話で根付いていることばの一つであることを改めて認識しました。
もちろん、普段の会話で使われる長崎の方言は、以前紹介したことば(「ばい」・「たい」・「に」など)以外にもまだたくさんあります。普段から使われることばだからこそ感じられる魅力を、これからもこのブログで伝えていきたいと思います。
・参考文献…坂口至(1998):日本のことばシリーズ 42 長崎県のことば(明治書院) p23.
こんにちは!長崎弁の勉強に使わせていただいております。とてもいいブログをありがとうございます
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