2015/04/02

長崎弁の話 その12。 ~長崎で、「つー」というと?~

最近、「県外の方が一度聞いただけでは意味が全く想像できないような長崎の方言には何があるだろう?」ということを考えていたのですが、そのとき真っ先にこのことばが浮かびました。

「つー」ということば。皆さんはご存じでしょうか?これも、ちゃんとした長崎の方言です。
たとえば、「転んで擦りむいたところにつーのできた」というような使い方をします。たぶん、この例文で意味が分かったのではと思います。

長崎の方言で「つー」とは、「かさぶた」のこと。長崎県外の方が耳にされるとかなり驚かれそうなことばです。

ここからは僕も初めて知ったのですが、「つー」には他にも意味があります。
(柿などの)ヘタや、鱗のことも「つー」と呼ぶ、のだそうです。僕自身は、「つー」を「かさぶた」という意味でしか会話の中で用いたことがなかったので、この気づきはかなり新鮮でした。

ところで、「つー」で思い出したのですが、長崎ではアイゴという魚のことを「ヤー」と呼びます。
釣りをされている方に、「今日はヤーしか釣れんばい」と言われたら、その魚はアイゴのことです。

ちなみに、長崎では他にも、「バリ」や「ヤノウオ」と呼んだりもします。魚の呼び方も色々あってなかなか興味深いですね。

「つー」と「ヤー」。短いことばですがなかなかインパクトのある方言です。

 ・参考文献…坂口至(1998):日本のことばシリーズ 42 長崎県のことば(明治書院) p157.

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